VOL.05

私達にできる地域づくりとは…

地域と住まいを考えるとき、景観は、そして暮らしは、地域と家庭の結び付き、それと家族との絆…隣近所に視点を置くとき、最も大切にしなければならないのは、際の整備と間の空間をどの様に活かすかを考えると、京都の祇園、先斗町、伏見の町家、東京の佃島の路地、渋谷宇多川の路地、福島県会津の大内宿の家並、奈良県大宇陀の街並等、数えればきりが無い程、先人達が残してくれた町並があります。
イメージその路地で遊ぶ子供たち、それを見守るお年寄り達、ちょっと前まであった原風景、今はどこへ行ったのでしょうか。私達大人が利便性だとか、機能的だとか無理に無駄を省いた結果なのか、それを見栄や世間体ばかりに気を取られ過ぎてきた結果なのかは、一概に決めつける訳にはいきませんが、無駄なことにも良い無駄があることに気付くことも大事なことなのです。建物にも間と際の空間等、沢山の無駄があります。この無駄のお陰で人々は陰翳を感じ心が癒されているのだと思います。
無駄の拘りも地域を考えた時には、非常に大切なことなのです。大都市や地方都市それと町、村の社会を一色単にしないためにも地域の魅力とは何かを考えてみましょう。庭先の緑、そして休日には家庭菜園を家族と一緒に耕し、収穫する楽しさ、そんな家庭を築くことが唯一私達にできる地域づくりではないでしょうか。